窓際のサボテン

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【ゲーム】まさに神リメイク!switch版「ゼルダの伝説夢をみる島」

どーもサボテンです。

switch向けに9月20日に発売された「ゼルダの伝説夢をみる島」をクリアしたので感想を。

93年にGBで発売されたオリジナル版を現代風にリメイクした本作。私が小学生の頃、これのオリジナル版(といっても後に焼き直しでカラー対応になったアッパー版ですが)を遊んでいました。あの頃は限られたお小遣いの制約の中でこれのほかには確かポケモン青と星のカービィ2は何度もデータを消して繰り返し遊び倒していた思い出が。子ども時代に何度も繰り返し遊んでいた作品が復活すると聞いて本当に楽しみにしていましたから、結論から言うと、本当に大満足です。

物語は主人公リンクが海難事故に遭い流れ着いた不思議な島「コホリント島」からの脱出を図るというもの。コンパクトにまとめられていて、壮大なイメージのゼルダの伝説シリーズの中では外伝的な作品ですが、感動的な物語に引き込まれ、サボテンにとってのマイベストゼルダ であります。そんな思い入れの強い作品なので実は今回のリメイクの売りの一つである「ジオラマ風」の世界観を最初に見たときに、正直に言うと違和感がありました。主人公リンクの見た目がつるっとした人形のようだったからです。初期のアニメ風な少年でも、64の時のオカリナ以降のリアルな青年でもなく、ましてや猫目リンクでもない。懐かしさ皆無で全く新しいデザインの主人公にコレジャナイ感が多少あったんだと思います。ただこれは実際に発売されて遊んでみると杞憂でした。

というのも、GB版のあの画面、狭い箱庭感のような雰囲気をどこか感じられる良い塩梅になっているような気がするのです。当時の二頭身ドットキャラを、イメージを崩さないように現代風に置き換えるための工夫があの形。また、一つ一つの素材はとてもきれいなのにどこかオモチャ感のある質感の木々など、それはリッチとチープの折衷案なのだと思います。全く違う表現で当時の雰囲気を演出した、最高のアイデアで、クリアした今では今後ほかのGB作品のリメイクはすべてこの手法を取るべきだぐらいの気持ちでいる自分がいました。

 

また、オリジナル版をやり込んだサボテン的には、リメイクされても変わらない「安定」と「変化」の両方を楽しめて大満足です。行く先々で思い出の一枚を撮影してくれる写真屋さんはシナリオの本筋に関係ないためか残念ながらカットされてしまいましたが、それと関係した物語中盤のヒロインとのデートイベントそのものは残してくれていましたし、任天堂は本当にユーザーが残して欲しいものを分かっているなぁと。また、わらしべイベントの途中の人魚を助けるシーン。波にさらわれた人魚の水着を探して渡してあげるイベントでは「ピンクのブラジャー」が「ネックレス」に差し替えられていて、セクシャルな表現については時代を感じましたね。しかし、GB版ではノーブラ故に人魚の付近で潜水すると「キャー!エッチ!エッチー!」と怒られていたのが本作でも健在で、やっぱり同様のセリフを見ることができるのです。ちゃんと付けているはずですが、分かってらっしゃる任天堂様…

追加要素のダンジョン作成は、ただのオマケのように見えて、実はダンペイのお題をクリアすることで空きびんやハートのカケラ、秘密の貝殻、そしてなんとハートの器をくれる太っ腹な施設で、ビックリしましたね。やらなくても良いけど達成するとリターンが大きい。寄り道といえば各種ミニゲームも景品が豪華になりやりごたえが増していますね。

 

エンディングも相変わらず感動。夢を見る島が私の心を掴んで離さず、当時GBで飽きるほど遊んでいたにも関わらず今作を買うことを決めさせたのはこの作品のシナリオ面が最高だから。表面上は目覚めの使者リンクが悪い魔物を倒して島からの脱出を図る、とシンプルなお話ですが、実は目標の成就によって失うものがあるのです。物語が進むにつれて明らかになる島の秘密に高まる葛藤。ラスボスを打倒した直後には達成感とは別に、少し切ない気持ちを覚えるのですが、しかしエンディングが流れ始めると一転、このゲームは私たちの心をとても晴れやかに持ち直させてくれます。オープニングでは暗く湿った海で事故に遭い島に導かれたリンク。これから始まる苦難への序章をイメージしているようなスタートに対して、エンディングでは波の穏やかな、太陽がキラリとまぶしい希望の朝が我々を迎えてくれます。そしてクリアの余韻に浸っていると挿入される真エンドにて追加される演出、一羽のカモメがリンクの頭上を通り過ぎ広い海原をどこまでも自由に飛んでいくシーン。このゲームをクリアした人間だけに分かる、切なさの中に一筋の救いのある素敵な演出です。

 

ストーリー、オチが分かっているのに何度でも感動できてしまう、これから夢をみる島を遊びたいと考えている方には最高のソフトでした。3DSでVCも配信されていますし、当時のままオリジナルを遊びたいのならそちらを。サボテンは今回、新旧を交互に遊び倒してドップリとこの作品に浸かっておりました。一周するのにそこまで時間のかかるタイトルではないので、きっとまた定期的に遊びたくなるんだろうな。